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生産額を名目値で見ると、第二次産業に比べて生産性上昇率の低い第三次産業の高い価格上昇を反映して、この後者のウエートが高くなる傾向がある。ちなみに価格上昇を除いた実質で見ると、第二次産業のウエートが若干高まり、第三次産業のウエートがいくらか低下するが、基本的な動きには変化は見られない。
経済発展とともに第一次産業から第二次産業へ、第二次産業から第三次産業へと産業構造ウエートが上昇する現象は「産業構造の高度化」と呼ばれる。日本の戦後の歴史を見ても、一九五○年代の経済発展が低い段階では、ひとびとの関心は主に衣食住関係に向けられており、農林漁業という第一次産業、雑貨、繊維などの軽工業を中心とする第二次産業、卸・小売業の商業などの第三次産業が中心であった。
六○年代、七○年代になり、経済がさらに発展すると、第一次産業のウエートが低下し、第二次産業、なかでも鉄鋼、造船、石油化学、紙・パルプなどの重化学工業のウエートが次第に高まっていった。サービス産業についても従来の衣食住関係の生活必需品から教育、福祉、レジャーなどの選択的サービス産業が伸びを高めていった。
八○年代以降はエネルギー価格の高騰もあってエネルギー多消費型の重化学工業のウエートが低下し、代わってエレクトロニクス、精密機械、自動車などの加工組立産業が中心となっていった。八○年代半ば以降、急速な円高の進行もあって、生き残りをかけて日本の製造業が大挙して中国、東南アジアへ出て行くと、従来の繊維、鉄鋼に加えて、間もなくテレビ、冷蔵庫、洗濯機などの低付加価値製品が大量に日本に持ち込まれるようになった。
そうなると繊維、石油化学、鉄鋼、電機製品などの低付加価値産業は発展途上国に任せて、国内では電子、精密、情報機械などの技術集約的な高付加価値産業へと比重を移して、産業構造の高度化を一段と高めていかざるをえなくなった。産業構造の高度化に成功しなければ、国内産業の空洞化が起こるだろう。
幸いなことに、日本では産業の空洞化は一時的に見られた現象に九○年代に入ると、日本の一人当たり国民所得が三万ドルを突破した。経済発展が産業構造を大きく変え、ひとびとの所得を増やすが、逆にひとびとの所得増加が需要変化を引き起こし、産業構造を変えていく力となる。
最近の産業構造の変化には次のような要因が大きく働いている。第一に、中国や東南アジアの経済発展が日本の産業構造に及ぼした影響が大きい。
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